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類型論の立場から見る中日類別詞の序列

时间:2022-04-07 理论教育 版权反馈
【摘要】:盛文忠摘 要:汉日语在“数量+名”结构上的不同语序分别对应着不同的语法功能。そして、類別詞の語順を他の主要パラメータと対照し、類型論的立場から中日類別詞の特性や共通性について検討する。本稿は類型論的な立場からそういったことについて検討していきたい。QN/NQとSVO/SOVとの対応関係においては、中国語は大多数のSVO言語とQN言語に一致している。

盛文忠

摘 要:汉日语在“数量+名”结构上的不同语序分别对应着不同的语法功能。汉语中“数量+名”语序占绝对优势,“名+数量”语序仅在极少数场合使用。日语中“数量+名”语序与“名+数量”语序的使用频率大致相当。本文从语言类型学角度出发,对百余种有量词语言中与“数量+名”语序相关的其他语序类型参项与“数量+名”语序参项的对应关系进行了统计和考察,发现了一些单向优势现象,很好地解释了汉日语“数量+名”结构语序之间存在的巨大差异。

关键词:汉日语言对比;语言类型学;“数量+名”结构;语序;参项

1.はじめに

数量詞に関しては中国語学界でも日本語学界でもすでに多くの先行研究が存在する。ところが、類型論的立場から中日数量詞の序列に関する対照研究はまだ少ないようである。本稿では、まず中日数量詞の序列について考察する。そして、類別詞の語順を他の主要パラメータと対照し、類型論的立場から中日類別詞の特性や共通性について検討する。更に、「概念距離動機付け原則」「通カテゴリー調和原則」「識別度原則」という三つの代表的な原則による中日数量詞序列への理論的解釈を見てみる。最後に、中日数量詞序列について類型論的解釈を行う。

2.中日数量詞の序列

中国語の数量詞と主名詞との序列には「数-量-名」と「名-数-量」という二つの類型がある。それに対し、日本語の数量詞と主名詞との序列には「数-量-名」「名-C-数-量」と「名-数-量」という三つの類型がある。

陳力衛(1989)は、中国語と日本語の数量詞を含む句の文中機能を次のようにまとめた。

表1 中日数量詞を含む句の文中機能

注:Nは名詞、Cは格助詞、Qは数量詞を指す。○は完全にOKで、△は一定の制限あり、×は完全にだめだということを指す。

表1に見られる通り、日本語では、文において一番自由なのは「QノN」で、その次は「NQ」であり、「NCQ」はかなり限られている。それに対し、中国語では、「QN」が一番自由で、「NQ」がかなり限られている。

また、本稿は「中日対訳コーパス」[2]を利用して、その中の中国語小説『紅高粱』と日本語小説『雪国』を取り出し、各自の原文を対象に中日数量詞語順[3]を類型別に統計した。詳しいことは次のようになる。

表2 『紅高粱』における中国語数量詞語順の出現件数と比率

表2から分かるように、中国語では、「QN」語順が98%以上を占めるのに対し、「NQ」語順はわずか2%足らずで、前者が圧倒的な優勢をとっている。

表3 『雪国』における日本語数量詞語順の出現件数と比率

表3から分かるように、日本語では、「QノN」語順が51.2%を占め、全体の半分を超えていて、「NCQ」語順と「NQ」語順が残りのおよそ半分を占めている。つまり、QN語順とNQ語順がほぼ同様に使用されていて、前者がやや優勢をとっていることが分かる。

つまり、中国語では、「QN」語順が圧倒的な優勢を取り、「NQ」語順がごくわずかな場合にしか使用できない。それに対し、日本語では、「QノN」語順と「NCQ」語順、「NQ」語順との使用頻度がほぼ同様である。なぜ中日数量詞の序列にこのような大きな相違があるのか。その背後にはいったいどのような原因が潜んでいるのか。本稿は類型論的な立場からそういったことについて検討していきたい。

3.類別詞[4]序列と主要パラメータとの対応関係

語順類型の主要パラメータは、節の構成素の語順(SOV/SVO/VSO/VOS/ OSV/OVS)、前置詞と後置詞(Pr/Po)、属格成分と主名詞との語順(GN/NG)、形容詞と主名詞との語順(AN/NA)、指示詞と主名詞との語順(Dem N/ NDem)、関係節と主名詞との語順(Rel N/NRel)、数詞と主名詞との語順(Num N/NNum)、類別詞と主名詞との語順(QN/NQ)などである。本稿では、類別詞と主名詞との語順を他の主要パラメータと対照し、類型論的立場から中日類別詞の特性や共通性を検討してみたい。

3.1 類別詞語順と節の構成素語順との対応関係

本稿は山本秀樹(2003)をもとにして、2932言語から節の構成素の語順がSVO/SOVであり、かつ類別詞のある言語を122抽出した[5]。また、類別詞と主名詞との語順(QN/NQ)と節の構成素の語順(SOV/SVO)との対応関係について統計した。詳しいことは次のようになる。

表4 QN/NQとSVO/SOVとの対応関係

表4から分かるように、SVO言語の大半(およそ79%)がQN語順をとるのに対し、SOV言語ではQN語順とNQ語順をとる言語の数がほぼ同様である。また、QN言語の大半(およそ71%)がSVO語順をとるのに対し、NQ言語の大半(およそ65%)がSOV語順をとる。つまり、QNとSVOの対応度が比較的高い。中国語はSVO語順が優勢であり、同時にQN語順とNQ語順を有しているが、QN語順が優勢である。QN/NQとSVO/SOVとの対応関係においては、中国語は大多数のSVO言語とQN言語に一致している。日本語はSOV言語であり、同時にQN語順とNQ語順を有している。QN語順とNQ語順がほぼ同様に使用されているが、前者がやや優勢である。QN/NQとSVO/SOVとの対応関係においては、日本語は大多数のSOV言語とQN言語にあまり一致していない。

3.2 類別詞語順と接置詞との対応関係

本稿は2932言語から類別詞のある前置詞(Pr)言語と後置詞(Po)言語を128抽出し、その類別詞語順と接置詞との対応関係について統計した。詳しいことは表5になる。

表5 QN/NQとPr/Poとの対応関係

表5から分かるように、前置詞言語の大半(およそ84%)がQN語順をとるのに対し、後置詞言語においてはQN語順とNQ語順をとる割合が同じである。また、QN言語の大半(およそ71%)がPr言語であるのに対し、NQ言語の大半(およそ68%)がPo言語である。QNとPrとの対応度が極めて高い。中国語は前置詞と後置詞の両方を有しているが、Prが優勢である。また、QN語順とNQ語順の両方を有しているが、QN語順が圧倒的な優勢をとっている。QN/ NQとPr/Poとの対応関係においては、中国語は大多数のPr言語とQN言語に一致している。日本語はPo言語であり、QN語順とNQ語順をともに有し、前者がやや優勢をとる。QN/NQとPr/Poとの対応関係においては、日本語は大多数のQN言語に一致していない。

3.3 類別詞語順と属格成分語順[6]との対応関係

本稿は2932言語から類別詞のある言語を132抽出し、その属格成分語順と類別詞語順との対応関係について統計した。詳しいことは表6のようである。

表6 QN/NQとGN/NGとの対応関係

表6から分かるように、GN言語ではQN語順とNQ語順を使用する言語の数がほぼ同じであるのに対し、NG言語ではその大半(およそ90%)がQN語順をとる。また、QN言語ではおよそ三分の二(67%)がNG語順をとるのに対し、NQ言語ではその大半(およそ81%)がGN語順をとる。つまり、QNとNG、NQとGNとの対応度が極めて高い。中国語はQNが優勢をとる言語であり、GN語順をとり、QN/NQとGN/NGとの対応関係においては、大多数のQN言語に一致していない。日本語はGN語順をとり、QNとNQをほぼ同様に使用するので、QN/NQとGN/NGとの対応関係においては大多数のGN言語に一致している。

3.4 類別詞語順と形容詞語順[7]との対応関係

本稿は2932言語から類別詞のある言語を121抽出し、その形容詞語順と類別詞語順との対応関係について統計した。詳しいことは表7になる。

表7 QN/NQとAN/NAとの対応関係

表7から分かるように、AN言語ではQN語順をとる言語の数(およそ93%)が圧倒的に多いのに対し、NA言語ではQN語順とNQ語順を使用する言語の数がほぼ同じである。また、QN言語のおよそ三分の二(65.9%)がAN語順をとるのに対し、NQ言語ではその大半(89%)がNA語順をとる。つまり、QNとAN、NQとNAとの対応度が極めて高い。中国語はAN語順をとり、QN語順が圧倒的に優勢をとり、QN/NQとAN/NAとの対応関係においては大多数のQN言語とAN言語に一致している。日本語はAN語順をとり、QN語順とNQ語順をともに有し、QNがやや優勢であり、QN/NQとAN/NAとの対応関係においては大多数のQN言語とAN言語にある程度一致している。

3.5 類別詞語順と関係節語順との対応関係

本稿は2932言語から類別詞のある言語を71抽出し、その関係節(Rel)語順と類別詞語順との対応関係について統計した。詳しいことは表8のようである。

表8 QN/NQとRelN/NRelとの対応関係

表8から分かるように、Rel N言語では、QN語順とNQ語順をとる言語の数がほぼ同様であるのに対し、NRel言語では、そのおよそ四分の三(75.4%)がQN語順をとる。QN言語とNQ言語はともにその大半がNRel語順をとり、特にQN言語ではNRel語順をとる言語の比例がより高く、86%に達する。つまり、QNとNRelとの対応度が極めて高い。中国語はRel N語順をとり、QN語順が圧倒的な優勢をとり、QN/NQとRel N/NRelとの対応関係においては大多数のQN言語に一致していない。日本語はQN語順とNQ語順をともに有し、Rel N語順をとり、QNがやや優勢であり、QN/NQとRel N/NRelとの対応関係においては大多数のQN言語に一致していない。

3.6 類別詞語順と指示詞語順との対応関係

本稿は2932言語から類別詞のある言語を108抽出し、その指示詞(Dem)語順と類別詞語順との対応関係について統計した。詳しいことは表9になる。

表9 QN/NQとDemN/NDemとの対応関係

表9から分かるように、Dem N言語でもNDem言語でもその大半がQN語順をとり、特にDem N言語ではQN語順をとる言語の比例が高く、85.5%に達する。また、QN言語では、その大半(68.6%)がDem N語順をとるのに対し、NQ言語では、DemN語順とNDem語順を使用する言語の数には大差がない。つまり、QNとDemNとの対応度が極めて高い。中国語はDemN語順をとり、QN語順が圧倒的な優勢をとり、QN/NQとDemN/NDemとの対応関係においては大多数のDemN言語とQN言語に一致している。日本語はQN語順とNQ語順をともに有し、QNがやや優勢であり、DemN語順をとり、QN/NQとDemN/NDemとの対応関係においては大多数のDemN言語とQN言語に一致している。

3.7 類別詞語順と数詞語順との対応関係

本稿は2932言語から類別詞のある言語を135抽出し、その数詞(Num)語順と類別詞語順との対応関係について統計した。詳しいことは表10のようである。

表10 QN/NQとNumN/NNumとの対応関係

续 表

表10から分かるように、QN言語の大半(およそ95%)がNum N語順をとるのに対し、NQ言語のすべてがNNum語順をとる。また、Num N言語のすべてがQN語順をとるのに対し、NNum言語の大半(89.1%)がNQ語順をとる。つまり、数詞と類別詞が主名詞の片方に位置する言語が圧倒的に多い。また、QNとNum N、NQとNNumとの対応度が極めて高い。中国語はQN語順が圧倒的な優勢をとり、Num N語順をとり、数詞と類別詞が主名詞の片方に位置し、QN/NQとNum N/NNumとの対応関係においては大多数のNum N言語とQN言語に一致している。日本語はQN語順とNQ語順をともに有し、QNがやや優勢であり、Num N語順とNNum語順をともに有し、数詞と類別詞が主名詞の片方に位置し、QN/NQとNum N/NNumとの対応関係においては大多数のNum N言語とQN言語に一致している。

3.8 類別詞語順と主要語順パラメータとの対応度

上記の考察と統計により、QN/NQとその他の主要語順パラメータとの対応度が次の表にまとめられる。

表11 QN/NQとその他の主要語順パラメータとの対応度[8]

续 表

表11から分かるように、QNはSVO、Pr、NG、AN、NRel、Dem N、Num Nとの対応度が高く、その他のパラメータとの間には明らかな対応関係が見られない。それに対し、NQはNNumだけとの対応度が高く、SVO、Pr、NG、AN、Num Nなどのパラメータとの対応度がみな低く、その他のパラメータとの間に明らかな対応関係が見られない。

上記のことから、中日両言語を他の同類言語と対照しながら、それぞれの大多数の同類言語との対応関係と一致性について考察し、結果は次の表になる。

表12 中日両語と大多数の同類言語との一致性[9]

续 表

表12から分かるように、中国語は類別詞語順(QN/NQ)とSVO/SOV、Pr/ Po、AN/NA、Dem N/NDem、Num N/NNumの語順パラメータとの対応関係においては、大多数の同類言語に一致しているが、類別詞語順(QN/NQ)とGN/ NG、Rel N/NRelの語順パラメータとの対応関係においては、大多数の同類言語に一致していない。日本語は類別詞語順(QN/NQ)とGN/NG、AN/NA、DemN/NDem、Num N/NNumの語順パラメータとの対応関係においては大多数の同類言語に一致しているが、類別詞語順(QN/NQ)とSVO/SOV、Pr/Po、Rel N/NRelの語順パラメータとの対応関係においては同類言語に一致していない。

4.中日数量詞語順への解釈

4.1 中日数量詞の語順類型

宋麗萍(2006)は、96言語の数量名構造の語順(数量詞と主名詞の語順)の特徴について検討し、数量名構造の語順には、論理的に「数—量—名」「名—数—量」「名—量—数」「量—数—名」「量—名—数」「数—名—量」という六つの可能性があるとし、数量名構造の語順を「可能な語順」と「不可能な語順」という二つのタイプに分け、前者には、「数—量—名」「名—数—量」「名—量—数」があり、後者には、「量—数—名」「量—名—数」「数—名—量」がある、と指摘している。

中国語は「数—量—名」語順と「名—数—量」語順をともに有し、表2の統計により、前者が圧倒的な優勢を取っている。つまり、「数—量—名」語順が基本語順である。一方、「名—数—量」語順も存在する。儲沢祥(2001)は、「数量の列挙」と「強調」の場合に「名—数—量」語順を使用する、と指摘している。

(1)虽射杀日本士兵数十人,伪军数十人,但终因势单力孤,无力回天。/二人は日本兵と傀儡兵それぞれ数十人を殺したが「多勢に無勢」ついに勢いを盛りかえすことができなかった。(『紅高粱』)

(2)大人先生们要走的路,其结果虽然都是死路一条,但他们却各有各的一套理论。/おえら方たちの歩む道は、結果はどれもみな死出の旅路、袋小路ではあるけれども、それぞれ、いちおうの理論をとなえている。(『青春之歌』)[10]

例(1)では、「日本士兵数十人」と「▪▪数十人」が「名—数—量」語順をとり、「数量の列挙」を表す。例(2)では、「死路一条」が「名—数—量」語順をとり、「強調」を表す。このように、「名-数-量」語順は、話し手が「数-量-名」構造の情報を焦点にするために語順を変えた結果であり、語用論的影響を受けた結果でもある。

日本語は、「QノN」語順、「NCQ」語順と「NQ」語順を有し、表3の統計により、「QノN」語順の使用頻度が「NCQ」「NQ」語順とほぼ同様である。つまり、「数—量—名」語順(QN)と「名—数—量」語順(NQ)の使用頻度がほぼ同じである。

要するに、中日両言語では、ともに「数—量—名」語順と「名—数—量」語順を有しているが、中国語では「数—量—名」語順が圧倒的な優勢をとるのに対し、日本語では「数—量—名」語順と「名—数—量」語順がほぼ同様に使用されている。中日数量詞の序列になぜこのような大きな差異があるのか。以下はまず理論的解釈を見てみよう。

4.2 理論的解釈

数量詞の序列を解釈するのに、主に次のような三つの代表的な原則が挙げられる。

まず、Haiman(1983)の「概念距離動機付け原則」が挙げられる。詳しいことは次のようである。

概念距離動機付け原則:言語の成分間の距離が表されている概念の間の距離を反映している。

概念距離動機付け原則は、言語の成分間の表層形式が密接にかかわり、その形式に表される意味においてもかかわりが密接であるということを指す。

数詞はモノの数を表し、類別詞はモノの単位を表すものであるから、類別詞は通常数詞と結び合わせてモノの数量を表す必要がある。

Haimanの「概念距離動機付け原則」によれば、数詞と類別詞が密接にかかわっている。数詞と類別詞が名詞によって分断されるとすれば、この語順は概念距離動機付け原則に違反するということになる。

次に、Hawkins(1983)の通カテゴリー調和(Cross Category Harmony)原則が挙げられる。詳しいことは次のようである。

通カテゴリー調和原則:最も広く見られる言語類型は、あるカテゴリーにおいて主要部に先行する依存部の割合が、他のカテゴリーにおいて主要部に先行する依存部の割合と等しい言語である。

例えば、代名詞目的語後置と名詞目的語後置が調和する。これは両者がともに主要部である動詞が先行する構造であるからである。また、「前置詞+目的語」と「動詞+目的語」が調和する。これは両者がともに主要部が先行する構造であるからである。

また、「量-数-名」語順は主要部である名詞と類別詞が依存部の数詞の両側に位置する語順である。「量-数」語順では主要部である類別詞が依存部である数詞に先行しているのに対し、「数-名」語順では主要部である名詞が依存部である数詞に拘置している。つまり、「量-数-名」語順では、主要部の位置が一致していないので、通カテゴリー調和原則に違反するのである。

第三に、陸丙甫(2005)の「識別度原則」が挙げられる。詳しいことは次のように記述できる。

記述一:もし他の条件がすべて同様であれば、識別度の高い成分が低い成分に前置する。

記述二:もし他の条件がすべて同様であれば、識別度の高い成分が前置する傾向がある。

記述三:もし他の条件がすべて同様であれば、名詞句への貢献度の高い連体修飾語が貢献度の低い連体修飾語に前置する。

陸丙甫(2005)は、Lambrecht(1994)の術語“identifiability”を「可▪度」(識別度)と訳し、それを定性(definiteness)または指示性(referentiality)に近い存在と規定し、広義的な指示性であるとしている。識別度を一つのカテゴリーとするなら、指示性がそのプロトタイプで、情報の新旧、有生性(animacy)、数量(number)、有界性(boundedness)などがその周辺事例である。上記の概念を識別度という一つの概念に統合できる。つまり、指示性の強いものが弱いものより識別度が高く、旧情報が新情報より識別度が高く、有生性の高いものが低いものより識別度が高く、多数のものが少数のものより識別度が高く、有界的なものが非有界的なものより識別度が高い。

語順は普通「概念距離動機付け原則」「通カテゴリー調和原則」「識別度原則」という三つの原則によって解釈できる。

以下は、この三つの原則を利用して、中日数量詞の序列について検討してみよう。

中日数量詞の序列においては、ともに「数—量—名」「名—数—量」という二つの語順を有する。

まず、「数—量—名」語順を見てみよう。この場合、数詞と類別詞との概念距離が近く、類別詞と主名詞との概念距離が近いため、「概念距離動機付け原則」に合致している。また、類別詞と名詞が数詞の後に置かれ、核心成分である類別詞と名詞が後置される。これは「通カテゴリー調和原則」に合致している。さらに、識別度の高い数詞が識別度の低い類別詞に先行する。これは「識別度原則」に合致するのである。つまり、「数—量—名」語順は概念距離動機付け原則、通カテゴリー調和原則と識別度原則という三つの原則にすべて合致している。この三つの原則が互いに協調し、一致しているので、「数—量—名」語順が極めて安定しているわけである。中国語でも日本語でも広範にこの語順が使用されるのである。

次に、「名—数—量」語順を見てみよう。この場合、識別度の高い数詞が識別度の低い類別詞に先行している。これは「識別度原則」に合致している。そして、概念距離の近い数詞と類別詞が近接しているため、「概念距離動機付け原則」に合致している。しかし、概念距離の近い類別詞と主名詞が数詞によって分断されている。これは「概念距離動機付け原則」に違反する。また、核心成分である類別詞が数詞に後置するとは反対に、核心成分である主名詞が数量詞に先行する。これは「通カテゴリー調和原則」に違反する。つまり、「名—数—量」語順の場合、二つの面においては「識別度原則」と「概念距離動機付け原則」に合致しており、他の二つの面においては「概念距離動機付け原則」と「通カテゴリー調和原則」に違反する。そのため、「数—量—名」語順に比べると、「名—数—量」語順の使用が少ないわけである。

中国語では、「名—数—量」語順に比べると、「数—量—名」語順が圧倒的な優勢をとっている。つまり、この三つの原則によって中国語数量詞の序列がうまく解釈できるのである。ところが、日本語では、「名—数—量」語順と「数—量—名」語順の使用頻度がほぼ同様である。この三つの原則によって日本語数量詞の序列がうまく解釈できないわけである。

上記のことから分かるように、中国語数量詞の序列はこの三つの原則によってうまく解釈できるが、日本語数量詞の序列はうまく解釈できない。

4.3 類型論的解釈

日本語数量詞の序列は上記の三つの代表的な原則によってうまく解釈できないが、類型論的立場からはうまく解釈できるのである。もちろん中国語数量詞の序列もうまく解釈できる。

表4から表9をまとめてみると、中日両言語のQN/NQとSVO/SOV、Pr/Po、GN、AN、Rel N、Dem Nとの対応関係が次の通りである。

表13 中日両言語のQN/NQとSVO/SOV、Pr/Po、GN、AN、RelN、DemNとの対応関係

表13から分かるように、中国語では、QN語順がSVO、Pr、AN、Dem Nとの対応度が極めて高く、GN、Rel Nとある程度対応しているのに対し、NQ語順がGN、Rel Nだけとある程度対応しているため、NQ語順に比べると、QN語順が圧倒的な優勢をとるわけである。ところが、日本語では、QN語順がAN、DemNとの対応度が極めて高いが、NQ語順がSOV、Poとの対応度が極めて高い。また、QN語順とGN、Rel Nとある程度対応している。NQ語順の場合もQN語順と同様である。つまり、日本語では、QN語順と対応するパラメータの数がNQ語順と同じである。そのため、日本語では、QN語順とNQ語順がほぼ同様に使用されるわけである。

また、表10から分かるように、Num N言語のすべてがQN語順をとるのに対し、NNum言語の大半がNQ語順をとる。つまり、数詞と類別詞が主名詞の片方に位置する言語が圧倒的に多い。そのため、中国語では、「名—数—量」語順に比べると、「数—量—名」語順が圧倒的な優勢を持っているのに対し、日本語では、「数—量—名」語順と「名—数—量」語順がほぼ同様に使用されるわけである。

5.終わりに

上記のことから次のような傾向が見られる。

中国語では、類別詞の序列(QN/NQ)がSVO/SOV、Pr/Po、AN/NA、Dem N/ NDem、Num N/NNumなどのパラメータとの対応関係においては大多数の同類言語に一致しているのに対し、類別詞の序列(QN/NQ)がGN/NG、Rel N/ NRelなどのパラメータとの対応関係においては大多数の同類言語に一致していない。それに対し、日本語では、類別詞の序列(QN/NQ)がAN/NA、GN/ NG、Dem N/NDem、Num N/NNumなどのパラメータとの対応関係においては大多数の同類言語に一致しているのに対し、類別詞の序列(QN/NQ)がSVO/ SOV、Pr/Po、Rel N/NRelなどのパラメータとの対応関係においては大多数の同類言語に一致していない。

また、概念距離動機付け原則、通カテゴリー調和原則、識別度原則という三つの代表的な原則によって中国語数量詞の序列がうまく解釈できるが、日本語数量詞の序列はうまく解釈できない。ところが、類型論的立場からQN/NQとその他のパラメータとの対応関係について考察した結果、中日数量詞の序列が両方ともうまく解釈できることが分かる。

参考文献

[1]陈力卫.数量表現における中日両国語の対照研究[G]//北京大学东方语言文学系.东方研究论文集.北京:北京大学出版社,1989:251-271.

[2]储泽祥.“名+数量”语序与注意焦点[J].中国语文,2001(5):25-35.

[3]陆丙甫.语序优势的认知解释:论可别度对语序的普遍影响[J].当代语言学,2005(1-2):1-15,132-138.

[4]宋丽萍.数量名结构语序及其分布的类型学考察[G]//北京大学中国语言学研究中心《语言学论丛》编委会.语言学论丛(第34辑).北京:商务印书馆,2006:229-242.

[5]山本秀樹.世界諸言語の地理的·系統的語順分布とその変遷[M].広島:溪水社,2003.

[6]JOHN H.Iconic and economic motivation[J].Language,1983,59(4):781-819.

[7]HAWKINS J A.Word order universals[M].New York:Academic Press,1983.

[8]KUND L.Information structure and sentence form[M].Cambridge:Cambridge University Press,1994.

[9]WINFRED P L.Syntactic typology[M].Austin:University of Texas Press,1978.

【注释】

[1]基金项目:本文为2016年度国家社科基金年度项目(一般项目)“类型学视野下的汉日语语法特征对比研究”(16BYY183)、2013年度上海市教育委员会科研创新项目(重点)“汉日语语法特征的语言类型学研究”(13ZS047)、2014年度上海外国语大学校级一般科研项目(规划课题)“日本国际交流基金会与孔子学院文化国际传播的比较研究”(2014114028)、上海外国语大学外国语言文学Ⅰ类高峰学科建设项目“日汉语语法类型学特征研究”和“语言类型学视野下的日汉语语法参项相关性研究”的部分成果。

[2]北京日本学研究センター(2002)。

[3]数量詞と主名詞との順序を指す。日本語には「数-量-名」(QN)、「名-格助詞-数-量」(NQ)と「名-数-量」(NQ)という三つのタイプがあり、中国語には「数-量-名」(QN)と「名-数-量」(NQ)という二つのタイプがある。また、「一度」「二回」などの「動量詞」を考察の対象としない。

[4]類型論では一般に類別詞(classifier)と呼んでいるが、日本語では一般に「助数詞」と呼んでおり、中国語では「量▪」と呼んでいる。便宜のため、本稿では一律に「類別詞」と呼ぶことにする。

[5]本稿の統計は山本秀樹(2003)をもとにして、2932言語を対象にしたものである。以下同様。中国語はSVO語順が優勢をとる言語であり、日本語はSOV言語である。したがって、本稿はSVO言語とSOV言語だけを考察の対象にする。

[6]属格成分語順とは属格成分と主名詞との順序を指す。

[7]形容詞語順とは形容詞と主名詞との順序を指す。

[8]「/」は明らかな対応関係が見られないことを表す。以下同様。

[9]「○」は大多数の同類言語に一致することを表し、「×」は大多数の同類言語に一致していないことを表し、「△」は大多数の同類言語にある程度一致することを表す。以下同様。

[10]例文はすべて「中日対訳コーパス」(北京日本学研究センター2002)によるものである。

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